心的外傷後ストレス障害(PTSD)
心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、災害や事故・事件など、命に関わるような大きな出来事、つまり極度の精神的外傷(トラウマ)によって生じる病気です。
症状として
トラウマの回避
極度の精神的外傷を経験した患者さんでは、そのトラウマを蘇らせるきっかけになりそうな状況や会話を避けたり、その出来事の重要な部分の記憶が飛んでしまったりするなど、回避行動をするようになります。また、やる気も起きなくなり、社会的との繋がりや薄れてしまいます。
トラウマのフラッシュバック
患者さんはトラウマを回避するように生活しているにもかかわらず、ふとした瞬間にその状況をフラッシュバックしたり、夢の中で再体験してしまうことがあります。中には無意識に外傷体験を誘発するような行動をとることもあります。
気が張った状態が続き、イライラや不眠症状の出現
患者さんは、神経過敏の影響でイライラ感や怒りの爆発、注意力の低下や不眠の症状が現れます。また、警戒心が強くなったり、ささいなことでも極端にびっくりしてしまうなどの覚醒亢進症状がでるようになります。
これらは通常、外傷的体験の3ヶ月以内にはじまりますが、数ヶ月数年も遅れて現れることがあります。不安感や抑うつ、また自殺を考えてしまうことも珍しくありません。
原因として
PTSDの原因は、外傷的体験によって、脳内にある神経伝達機構「脳内アラーム機構」と記憶に関する部位に異常が起きたためと言われています。
通常であれば、状況に応じてこの「脳内アラーム機構」が働くわけですが、PTSDの場合、状況に関係なく常に「脳内アラーム機構」が働いているため、普段から危機感が強く、気を張った状態になってしまうのです。
治療について
PTSDの治療は根気が必要です。
カウンセリングや認知行動療法、リラクゼーション、お薬による治療が行われます。